September 13, 2008

黒揚羽

珍しく日中出歩いてみた。
暑い上に直射日光で肌が痛く、軽く苛立ちながら足早に公園を抜け、居城を目指す。

ふと、道端で黒い羽が揺れているのが目についた。
揚羽蝶だ。愛らしい姿に、苛立ちも少し和らぐ。こんな道路の真ん中で優雅に憩っているなんて、相当な呑気者だ。捕まえられるかな、とそっと近付いてみる………

ん?逃げない?
あ…

ご臨終であった(苦笑)
おそらく、車にひかれたのだろう。
巧い具合に、等と表現するのは可哀想な気がするが本当に丁度良く身の部分だけをひかれていて、翅が全く無傷だった為に近くで見るまで気付かなかったのだ。
しかしまぁ、このまま放置してはまた車の下敷きになりいずれ翅もぼろぼろになってしまうだろう。
傷付けぬ様、慎重に身をアスファルトから引き剥がし、少し離れた木の根元に蝶を連れて行って置いた。
静かな場所で安らかに眠っておくれ。


死してなお絵になる、或いは詩になる姿か。自分も、どうせ死ぬならば美しい姿で最期を迎えたいなんてふと思ってみたり。
違う虫や若しくはもっと無惨な死に様なら、わたしもきっとわざわざ死骸を運んだりもしなかったろうと思う(苦笑)
特別に虫が好きな訳ではなく、単なる気まぐれの故。


◇所属劇団◇
幻想芸術集団 Les Miroirs

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alf_maria_lully at 13:16│Comments(0)

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朝霞ルイ

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