November 17, 2017
再臨
今年の後半は何かと立て込んでしまっていた為に、沢山の魅力的な舞台を見逃してしまい…追うように公演情報を見ては悔しい思いをしていたり。
インプット/アウトプットの時間を完全に分けないと巧く動けないタイプなのだよね。
数ヶ月間、見ないようにしていたサイトを訪れてみたら…
なにこれ、凄い舞台の告知出ているじゃん。
しかも未だ間に合う!
わたしが三年間待ち望んだ、東山サロメの再臨なんて!
これ、初演のときも情報知っていながら“舘形さんがサロメじゃないなら微妙だな…”と観に行かず、DVD買って物凄く後悔したのだよ。
わたしはサロメが本当に好きで、恋と云っても良いくらいなのだが(笑)それ故に生身の人間が演じているのを見てもピンとこない部分があったのね。
ファム・ファタルの代名詞とも呼べる絶世の美少女の役、わたしのなかでは長らく川井郁子さんがヴァイオリン演奏だけで演じたサロメが一番好きだったのを、当時40歳近い、それも男性ダンサーの東山義久さんが突然塗り替えてくれまして…改めて、わたしはサロメが美しい乙女だから惹かれていた訳ではなく、その魔性な感覚や存在そのものを愛していたのかもしれないと気付かされた次第。
東山さんの容姿に可憐な少女の要素は皆無なのに、紛れもなく“サロメ”という人物を体現してしまう表現力が素晴らしいのよ。
サロメは、最早ひとつの人格なのだな。
客席で観たかったのだよ、これを!
しかし、今回ヨカナーンは舘形さんではなく、楽曲に郁子さんの名前も無いので、初演とは印象が変わるだろうな。
東山サロメと舘形ヨカナーンの“レッド・ヴァイオリン”が最強にお耽美だったので、是非とも観たかったのだけど。
色っぽい、という言葉では俗過ぎてとても語れない、プラトニックでいて濃密な官能がある。
メンズ同士がくっついている様を微笑ましく見る趣味は全く無く、そういった次元ではないのね。強烈な存在感とエロスを秘めた肉体がぶつかり合っているような。
余計なものが無く、ありのままを研ぎ澄ましたような古典的な雰囲気も良くて、色々な面でサロメの物語世界に合っているのよ。
しかしな、あれを間近で観たら毒気にやられて呆然としてしまうかも。それも良いかな…
alf_maria_lully at 07:41│Comments(0)│