April 21, 2018

追憶

来月のサロンイベントの為に、朗読用の台本を執筆中。
5月のサロンで読むのは、へルマン・ヘッセの「笛の夢」です。
こんなわたしだが(苦笑)、実はヘッセから読書に目覚めた正統派文学少女なのである。小学生・中学生の時分に好きだった本は殆ど映画の影響で読んだものだが、唯一タイトルに惹かれたのみで読んでいたのがヘッセ。
中学の国語の教科書にも載っていた「少年の日の思い出」は昆虫マニアには堪らないが、わたしが最も好きなのは「クヌルプ」だ。

霧が来れば、
花はみな
萎れる定め、
人はみな
死ぬる定めにて、
墓に沈められる。
人も花、
春となれば、
みな蘇る。
もはや病む身ならで、
すべては許さる。
 
瑞々しく、自然に寄り添う美しい言葉の数々…
今回読む「笛の夢」はじめ、短編集“メルヒェン”に収録された作品は特にその傾向が強い。
が、単なるお伽噺に終わらない“現実”や“絶望”がきちんと描かれている点が非常にヘッセらしくて好きなのだ。

いま一度、初心に還るような気分でヘッセの作品を読んでいる。
朗読作品として耳心地の良い音になるよう、手を加えたところは多々あるが、あの瑞々しさ、いきいきとした情景を感じて貰えるものになればと思う。

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しかしな…わたしの持っているヘッセの文庫本の数々、殆ど本当に幼い時分に買い集めたものなので20年近い付き合いになる(笑)
今となっては稀に手に取るだけだが、それでもよくこうも綺麗に保管されてきたな。
子供の小遣いで買い求めたので全て古本だったろうと思うが。
転居や様々な障害を越えても手放すことの無かった物語が今も手元に在ると思うと、言葉を財産にするという意味やその尊さを感じる。

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隠れ家サロン《cafe&bar MIROIR》
5月13日(日) 15:00〜21:00
6月10日(日) 15:00〜21:00
自由が丘 Mumにて



◇所属劇団◇
幻想芸術集団 Les Miroirs

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alf_maria_lully at 09:37│Comments(0)

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朝霞ルイ

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