December 07, 2018

打上

ネットで見掛けたのみの話なのだけど、気になってしまったので少し書きます。

“公演の打ち上げは必要なのか?”という役者さんのコメントを読みまして、未だに打ち上げというものを“役者の飲み会”だと思っている方が居るのかなと。

公演最終回をマチネ(昼回)で終える団体も多い為か、早々に現場を切り上げて即解散という公演もよくある。
うちの劇団は最終公演もソワレ(夜回)がデフォルトなので、そのまま舞台を片付けて食事がてら打ち上げ…の流れもデフォルト。
そのなかで、昼は他現場でスタッフをしていた方が“打ち上げ無しで解散して時間が空いてるので”と、うちのソワレを観に来てくれたり、バラシを手伝ってくれて、そのまま打ち上げも参加といったことも過去何度かありました。

誤解の無いように。
“打ち上げはスタッフさんを労う会”です。


故に、当たり前だがうちではスタッフさんから打ち上げ代を基本頂いてません。(頂いてもお気持ち程度、主宰払いですよ)
バラシだけで来てくれたスタッフさんにも、事前に衣装や音楽を納品してくれたスタッフさんにも全員に「お時間あれば打ち上げ来てください」と声を掛けます。

そもそも“打ち上げ”って言葉も良くないなと昔から思ってたけどね(苦笑)
僕達よくやった!お疲れさん自分!って打ち上がってはしゃぐイメージだもんな。
劇場の多い地域の飲食店で、日曜の夜とかにそういうサークル飲みみたいな団体居るよね。同業かと思うと正直恥ずかしい。

飲みの席が苦手な役者さんも勿論居ると思います。帰宅時間や翌朝に差し支えるなら少し顔を出すだけでも良いし、それも難しいなら帰る前に必ずスタッフ全員にご挨拶して欲しい。
作品を陰から支えてくれた、自分の芝居を成立させてくれた、安全を守ってくれたスタッフさん達に、感謝の気持ちを伝えて欲しいのだよね。
別の部分でフォローがあるなら必要は無いかもしれません。
「これも付き合いだから」なんて深い説明もしてあげない主宰が居たら、すぐ考えが古いとかパワハラだとか思う人も居るかもしれないけれど。意識の話なんだよな。
スタッフ側が時間が無いとか面倒と言うなら無理強いしない、義務だと思われたら親切の押し売りになってしまうので、あくまで“お時間あればお礼をさせてね”ですが、キャスト側が“無意味な集まりだ”と思うのはちょっと違う。そう思ってしまう役者さんは、だらだら役者が飲み明かして酔った先輩の芸術論だとか聴かされるような打ち上げばかり体験してきてしまったのかな?
キャストの飲み会やりたい人は二次会か精算会でやろう。

わたしは、多分、打ち上げというものを初めて経験したのがスタッフとしてで、凄く手厚くして頂いたからそう感じるのかもしれない。
若いときに関わった団体さんがそういう現場で、本当に大切な意識を沢山身に付けさせて貰ったと思っている。単純にやたらと飲みに行く機会が多い団体でもあったけど(笑)
酔ってくだ巻くような先輩も概ねいなかったし、真面目に反省してたりして更に団体や役者さん達に愛着が湧く会だった。気付いたらわたしはその劇団に10年以上関わっていた訳だが…付き合いの長い者同士が馴れ合っている感じも無かったな。
恩送り・お返しという訳じゃないが、自分が若いとき受けた気持ちは、こうして自分の現場スタッフになってくれた人達に返すようなつもりでやっています。
習慣だから、皆やってるからではなく。若手の役者さんにそういう場面を見せて意味を伝えていくのもひとつの役目とも思う。自分がそう教えて貰ったように。
“ギャラを払っているのにそれ以上必要?”と思う人、それ貴方じゃなく団体が支払っている訳でしょう?スタッフさん一人頭のギャラは知っているのかな、それ以上の利益ある集客出来たと自信持って言えてからそんな考えを持ちたまえ。
そういった意識が備わると、面倒とはとても思えないし、そんな事も言えない筈じゃないだろうか。

ドライに創作するのも、それはそれで。スタッフさんはプロなので、わざわざご馳走しなくても次も頼んだ仕事をこなしてくれるだろう。
ただわたしはそれが出来ない質だし、うちは人柄も仕事ぶりも好きなスタッフさん達を何年も使わせて貰っている。職人同士としてシビアな話をする場面もあるけど、結局人として接している部分の+αとして仕事やその直接の対価ではないところが存在するのかなと思う。


これはわたしの意見、つまりは主宰の意見。
でも、一役者としても(フリーの人なら尚更)こういう考えもあると知ると現場での居方が変わると思います。
周りの環境もあるだろうし、わたしみたいに回りくどい志で動いてない主宰さんも居ると思う。
ただ、スタッフさんをなんとなく現場に居る知らない人程度に感じている役者も見掛けるのは事実。わたしがコメントを読んだ方は別な視点で云ったかもしれないし、そう思いたいけど。
自分のなかでは至極当たり前過ぎてあまり言ってこなかったけど。“空気を読め”“見て学べ”では伝わらないから何処かで拗れたこともあるのだろうな。
音楽でも舞踏でも、チームで動く現場では和が大切だけど演劇も同じ、それ以上顕著に場の纏まりが必要な表現だと思う。一人では舞台に立てないのだから。


◇所属劇団◇
幻想芸術集団 Les Miroirs

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alf_maria_lully at 07:34│Comments(0)

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