基本的に単独行動の多い人間なのだが、最近はそれに輪を掛けて一人で過ごす時間が増えた。
年末からの反動で、好き勝手動く自由さに快感を覚えているのかもしれん…

ここ数日は食事制限の関係で外食を控えていたので、城での一人しゃぶしゃぶに嵌っている。
カセットコンロを出すのが面倒な時は、普通のコンロの前に程良い高さの椅子を設置しそのまま頂くのだ。えぇ、優雅に座してワインなど揺らしながらね(笑)城のダイニングがまぁまぁ広いので、即席でも意外とそれなりに纏まり、ちょっとしたカウンターのようで面白い。
因みに胡麻ダレ派であるが、市販のものに少しアレンジを加えて変化を楽しんでいる。
だんだん肉やらワインやらにも凝り始めてしまい、安上がりな楽しみだった筈の御一人様の基準が徐々にズレつつある(苦笑)


昨日は、思い付きで銀座まで映画を観に行った。
言わずもがな、此方もお一人様であるが。
何年振りかのシネスイッチ。映画オタクだった学生時代によく通ったな、チラシ取りに(笑)入るの初めて。
早めに着いたので知人の誕生日プレゼントを購入し、ぶらぶらと銀座を歩いていた数分間にカットモデルの勧誘らしいキャッチに3度も捕まった。何故だ?(笑)

50807c0a.jpg
「皇帝と公爵」
ナポレオンが生涯唯一勝てなかった敵という、ウェリントン将軍率いる連合軍と仏軍とのトレス線での戦いを様々な側面から描いた作品。
3時間近い長編である…
とりあえず軍服が観たくてそれらしい映画を検索しただけのわたしだが、思いがけず色々な発見があった。

ややポルトガル人寄りの視点だったか。
頭に銃弾を受けたまま逃亡し、トレスを目指す中尉(強いて云えばわたしは彼が主役に見えた)。偶然彼を介抱することになった未亡人。
士官と戦死した部下の妻の淡い恋愛物語。
妙な連帯感をもつ脱走兵や聖職者のコミュニティ、戦況に関係無く我が道を行くじゃじゃ馬令嬢、心優しい娼婦、ウェリントンの肖像を描く画家、孤児の少年…
とにかく登場人物が多い&豪華。
あんなにポスターに写っているマルコヴィッチ(ウェリントン)は意外にもあまり出てこないのだが、ヨーロッパの有名俳優達がこれでもかとカメオ出演する美味しい作品。ドヌーヴとキアラ・マストロヤンニの母娘共演(同じ場面には出てこないが)も見れる。

個々のキャラクターが立っていて楽しい。
妻に逃げられた哲学者みたいな、一人だけ無駄に優雅なインテリ男が結構好きだったかも。

全体的に淡々と緩やかに進んでいく印象なので、戦争モノ特有の派手さは無いが、歴史ドラマとして見応えのある作品だった。
あぁ、ハリウッドには無い感性だな(笑)わたしはこっちの方が見易くて好きだけど。