April 2014
April 30, 2014
舞神
銀河劇場までDANCE ACT「ニジンスキー」を観に行く。千秋楽だったので当日券があるか心配したが、幸運にも1階4列目をゲット。
初演を見逃していたので、今回こそはと思っていたのだよね。
ヴァッツァ(ニジンスキー)の生涯を、主にその妹であるニジンスカが追想してゆく構成。
精神を病み、既に舞台から遠退いて医師のもとで廃人同然の生活を送る場面から物語が始まる。
家族の確執、天才と謳われた孤高のダンサーの苦悩、それに魅せられ身を滅ぼしていく周囲の人々を、幻想的に描く。
激情や狂気、悪夢のような不安定さのある独特な世界でいながら、淡々と哀しいまでの美しさをもって展開してゆく。
ヴァッツァ役の東山義久の存在感やダンスの巧さあっての作品だが、彼の持つ退廃的な美しさが作品にもニジンスキーというスキャンダラスな孤高のダンサーのイメージにも非常に良く合っていて、素晴らしかった。
「舞神降臨」などという大層なキャッチコピーもダテではない。
ソロで踊る場面がいくつかあったが、特に「牧神の午後」は圧巻だった。
鋭さと浮遊感の危ういバランス。これは好きなタイプのダンサーかも…と思いつつ、そもそも荻田先生の選んでくるキャストは基本わたしも趣味なのだよね(笑)
ディアギレフ役の岡幸二郎の、深みのある上品さ。優雅で威厳のある雰囲気のなかに垣間見える色気が素敵。
2幕で歌われたロシア語の唄、程好く哀愁があってうっとりする。
狂言回しであるニジンスカ役の安寿ミラ。かなり久し振りに舞台で観たが、この人も独特の色気を持った方。
変わり燕尾のようなモダンなパンツスーツがまた格好良く似合う。
兄弟3人での息の合ったダンスシーンが狂気じみて良い感じ。踊っている姿はたぶん初めて観た。
荻田先生のDANCE ACTを観たのは、最初の作品である「MATERIAL」以来だが、所謂ミュージカル作品などとは違う、どちらかと云うとストレートプレイと身体表現にうっすらとレビューショウを融合させたような印象。
場面が非常にゆっくりと自然に切り替わっていく。舞台全体が、ひとつの大きな生き物のような呼吸や生命力を感じる作品である。
静かな展開のなかに、しっとり薫るような狂気や哀しみ、妖しげな雰囲気…濃厚な美世界を楽しめる舞台だった。
売店の公演イメージカクテルは、各出演者と更にまた数種で、かなりの品揃えだった。
荻田先生のカクテル、その名も「ニジンスキー」を注文。
カンパリ&ビター系リキュールをベースに、マンゴーやオレンジのジュースをミックスした「甘苦OGITAスペシャル」なんだと(笑)内臓に優しそうな味だった。
その後、思い付きで観劇はしご。
d-倉庫にて、数団体の劇団が各々異なる演出で「青森県のせむし男」を上演するという、なんとも小劇場らしいフェス。
勝理治さんのご案内でIYAYOWARKという団体を観てきた。
複数団体によるイベントなので舞台セットらしいものは常設されていない状態な訳だが、徐にキャストが運んできた木材で、また徐に結構大きな可動式の小屋を舞台上でキャストが組み始めたりして…
他にも、ちゃぶ台やら巨大な布やら箒やら卒塔婆やら…道具や着替えが多くて大変そうだなと余計な心配しつつも(苦笑)効果的に使われていて面白かった。
勝さんは美少年だったよ。
最近白塗り顔でしか会っていないので、若干元の顔を忘れそうになってくるが(苦笑)
其処からまた、あちこち出掛けたりして。充実した一日だった。
が、そもそも本来なんの予定も無かったところを全て思い付きで詰め込んだので燃え尽きた…
この無計画な感じ、なかなか直らんな。
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April 28, 2014
石砂山
石砂山(いしざれさん)へ行ってみた。
神奈川で唯一、岐阜蝶の発生する場所として有名な山である。が、春の女神と謳われる麗しのギフチョウさんは毎年ほんの束の間しか姿を現さない為、4月も後半の今となっては既に時期外れ。
分かってはいたのだけど、もう何年も行く機会を逃している身では、一度行ってみるだけ行ってみたいと思う場所だったのだ。なので、普通にハイキング気分で(笑)
ところが、駅から登山口行きのバスを間違え、出だしからつまずく…
循環バスに乗ってしまい、再び藤野駅(苦笑)
正しいバス停を教わり、時刻表を見てみたが、目的地へ向かうバスは約2時間間隔でしか運行していないことが判明。
確か乗り換えも必要なんだよな?これは…まずい。
先程乗ったバスの車窓からタクシーの営業所が見えたことを思い出し、行ってみる。登山口までの料金を訊ねたら思いのほか掛からなかったので、タクシーを頼むことに。
篠原まで頼むと、気の良さそうな運転手のおじ様に「ギフチョウですか?」と早速訊かれる。案の定、この辺りにはこの蝶の存在くらいしか観光資源が無い様子。
「ギフチョウねえ、まだ居るんですか?」と、何を照れたかまるで興味無さげに返してみるわたし(苦笑)
「先々週くらいまでですね」
…やはり。しかし、ギフさんでなくとも蝶は居るだろう。
タクシーを降りて山へ向かう。
晴れてきて気持ちが良い。
天狗蝶らしい蝶が、民家の庭に居りテンションが上がる。
が、そのテングチョウを最後にこの山では蝶と名の付く生物には遭遇出来なかった。この子を無理矢理でも写真に収めなかったことは、この誤算まみれの一日のなかでも最大の誤算である。
石砂山入口にて、蛭(ヤマヒル)発生の為にヒル避けスプレー?使用を促す注意書き&液体入りのスプレー容器。
足元に噴き掛けようとし、パンツに大量に浴びる(苦笑)かぴかぴする…
と、とりあえず…これで確実に蛭には襲われまい…
石砂山は、頂上付近の0.5km程の急さがやや辛いのみ。40〜50分ほどで案外簡単に登れてしまった。
その間に出会った他の登山客は1名のみだが…
頂上で景色を眺めつつ少し休んでいると、山椒を摘むじいさんに遭遇。じいさんの勧めで篠原には戻らずに伏馬田というバス停へ向かう道を行ってみることに。
ところが…
最初はなだらかで楽しそうに見えた伏馬田までの道が途中から急変。
段々道幅が狭くなり、ついに…
道ではなくなる(苦笑)
写真で巧く表せないのが残念だが実はかなり高い、落ちたら大怪我しそうな崖である…足元はぎしぎし云う上に枯れ葉で滑るし流石に怖かった(泣)
道なのか危険なアスレチックなのか分からんこんな場所が暫く続くのである。山椒のじいさんを心の底から恨んだのは言うまでも無い。
ひたすら独りで進むうち妙にハイになり、笑うしかないと開き直り始める。
調子外れな口笛など吹き始めるも、無意識に口ずさんだヴィターリの「シャコンヌ」に我に帰る。脳がまだ先日の舞台を引き摺っている様子(苦笑)
やっと道路らしいところに出て、ダム?に架かる目が眩みそうな高さの橋を渡り、やっとバス停に出る。
途中から何となく嫌な予感はしていたが、此処も殆どバスが来ない。次のバスまで1時間以上待つ、ナビを取り出すも最寄り駅まで15kmという絶望的な状況。
神奈中バスめ!
こうなれば、切り札を出すしか有るまいな。先程のタクシー会社から貰った名刺を出し、電話。
30分ほどして迎えにやって来た車、数時間前と同じ運転手である(苦笑)
「さっき篠原まで送ったお客さんですよね、この短時間で山越えたんですか?!」はい、道が危なすぎてさっさと進みました。
帰る前に温泉に寄って帰ろうと、東尾垂という日帰り温泉へやって貰う。
わたしの散々な様子を見て不憫に思ったのか、運転手さんがかなり手前でメーターを切ってくれた。優しい。
観光地というよりは殆ど地元民の保養施設という風情。値段も銭湯並みのリーズナブルさ。
露天風呂、ミストサウナがある浴場で登山の疲れを癒す。食堂で山菜の天婦羅とビールを注文。大自然の中でまったり晩酌。
湯冷めしてしまったので、帰りのバスの時間までもうひと風呂浴びる。着替えを持って来れば良かった(笑)
帰りは、施設から駅までの送迎バスを利用。バス、と云っても実際はワゴン車程度のものに相乗りする状態だが。
また駅での電車待ち時間も長く、やっと城へ帰り着いたのは22時過ぎ。
しかし、さくさく移動が出来ない、こんなゆるゆるした旅もたまには良い。いや、わたしの無計画故なのだけど(苦笑)
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April 27, 2014
瑠璃
…登山に出ようと目論んでいた日に用事が入って横浜に拘束されてしまい、あまりにやるせなかった為に、解放された途端すぐさま周辺にある大きな公園を検索してふらっと散策に行く。
もう耐えられない。
◇この手の記事を久し振りに書くので、ひとまずお断りを。
わたしのblog内では鱗翅目(蝶・蛾)について語る際、極力最初だけ名前を漢字表記にするようにしてある。
風情があって好きだからという理由と、由来が分かり易いという理由からだが、慣れない方には読み難いと思うので…
基本的に成虫写真のみだが、苦手な方はさらっと読み流すことをお薦めする(苦笑)
最寄の駅で焼きたてのクロワッサンを買い、昼食代わりにつまみながら散策。
夕方に差し掛かる時間帯だったので、あまり期待はしなかったが、早速ゼフィルス!
可憐な紅蜆蝶に遭遇(嬉)
陽当たりの良く、野草が群生しているスポットがあり、黄蝶、久し振りの瑠璃立羽さんにも逢えた。
ルリタテハ好きだなぁ。
青みの蝶が好きな傾向にあるのだろうか。心のアイドル・浅葱斑蝶然り(笑)
都会でもよく逢える普通種だが、非常に俊敏と云われているルリタテハ。しかし、人を怖がるような蝶ではないように思う。意外と人間の周囲でふわふわ翔んでいるし、じっくり距離を詰めればかなり近くで写真を撮らせてもくれる。
以前わたしが高原で昼寝をしていたときに額に留まったのもこの子(笑)
親しみ易い美人さん、という印象。
名前の由来はこの美しい瑠璃色のラインからだが、英語圏では「The Blue Admiral(青い提督)」というなんとも格調高い名で呼ばれている。
調べてみたら色々面白かったので、少し紹介。
この蝶の学名は「Kaniska canace no-japonicum (Siebold, 1824)」というもの。
アジアでも15の亜種が命名されている蝶、ということで細かいことを言い出すときりが無くなりそうなので…一般的に広く知られているだろう日本語版wikipediaの情報から解説していくことにする。
所謂属名にあたるKaniska canace…Kaniskaは2世紀インド・クシャン朝の国王の名前、canaceはギリシャ神話に登場する風の神の美しい娘の名前だそうだ。
それ以降の種名というやつだが、no-japonicumとは後翅の模様が日本語のノの文字に似ている(と、シーボルトさんが名付けました)という意味。これはCタテハ蝶やLタテハ蝶の種名と近い勢いで付けられている気がするが…一歩間違えたらこの蝶も「ノ」タテハ蝶なんて和名になってしまっていたりして?(苦笑)それはあんまりだ。良かったね、瑠璃で。
タテハ蝶は翅裏が樹皮や枯葉に擬態するものが多い。
翅を閉じている状態ではとても地味で見逃してしまいそうだが、これがふと翅を拡げた瞬間の息を飲むようなときめきったら!
おぉぉ!
…堪らんでしょう?
池の畔のベンチにて睦まじく語らうカップルの真横で、息を詰めてシャッターチャンスを待ったわたし。
お陰でかなり近くで写真が撮れたが、物凄い邪魔な奴だったのだろうな…
因みに、蝶を追いかけ回して連れに怒られるレヴェルのわたしは、公園など自然の多い場所でのデートは出来れば避けたい人である。
人間よりも蝶が気になり過ぎてそわそわする。
趣味はね、独りで楽しむものだよ(笑)
ものの1時間ちょっとの間だったが、存分に癒されうきうきしながら次の予定へ向かった。
楽しかった…
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April 26, 2014
三日目
公演三日目(最終日)の出来事…
◆(04/20)公演最終日◆
なんだか早起き。前夜も湿布まみれで眠ったので、これは流石に衣装に馨しいものが移ってしまいそうだと…優雅に入浴をするも、それでもまだ時間に余裕がある。
これは早く着き過ぎるのではと心配しつつ向かう途中でゆうちゃんに遭遇。よし、独りじゃない。
ついでにこっそりわたしの秘密を打ち明ける。
「わたし今日ノーパンでいくから!」
「…(大爆笑)」
昨日替えた衣装がフィットし過ぎるせいで、パンツが透けるのだ。これはもう…いっそ履かない方向でいくべきだと覚悟を決めた。
一応スパッツらしいものは着用していたので全くの素肌に衣装を着ていたと云う訳ではないのだが…違和感は否めない。
もう少し減量出来ていればこんな苦労はせずに済んだのだ、自分が悪い。
4ステージ目…
やはりまだ微妙に本調子では無かったので、直前に美也さまにオリーヴオイルを分けて頂く。
喉の滑りを良くする為に飲むのだというが、加減が分からず若干飲み過ぎる(泣)
舞台裏の移動がやっとこなれてくる。Theater SHINEは楽屋が舞台の真下にあるので、上下の移動は明かりの消えた紗幕内をこっそり通るor梯子を使って一度楽屋に降りるしかない。
幾度となくお世話になっている劇場なので梯子も慣れたものだが、今回は右脚に着けていたホルスターと銃がとてもかさ張る&重い為に移動中にあちこちにぶつかるのである。
それを気遣っているとだね、移動がとても遅くなるのだよ。
最終日にしてやっとコツを掴んでくる。そういうものだよね、うん。
マチネ回〜ソワレ回の間の休憩時間に、軽く記念撮影などしてみる。
今回のキャストは意外と愉快なこれまでのLes Miroirs出演者の中でも群を抜いてネタに走る者が多い。
そんな者達が集まると…幻想コント集団が本領発揮である(苦笑)
公開出来そうな範囲のものだけ出そう…
イメージが…
格好良く撮れているものもあるよ、一応。
アサトさんありがとうございます!
食事とメイク直しを済ませ、いよいよ最後のステージ…
本番前の楽屋にて、(毎回イタチの髪を赤く染めていたのは実は隊長なのだが)きっともう暫く赤毛の役なんてやらないだろうからカラーチョーク使い切っちゃえよと、これでもかとばんばん振り掛けてみる。苦痛に喘ぐ谷さんの為にスプレーでがっちり色止めし、完成。よし、満足(笑)
千秋楽回は、有り難いことに満席。開演前からひしひしと客席の熱気のようなものが伝わってくるようだ。
5公演、長いような短いような。こうしてやっと流れに慣れて安定してきた頃に終わってしまう。
準備段階から考えればやはり長かったようにも感じる、5年の時を経て再び巡り逢えたこの役とも本当にこれで離れなければならないのだと想うと非常に寂しい気分になる。
あくまでも冷静ではあったが、ひとつひとつを噛み締めながら大切にお届け出来たのではないかと思う。
アローナの聖カルロにかけて、どうか願いたい…
それじゃあ本当なんだね、ぼくのリシディス、きみの優しいギターの音色に合わせて、
ぼく達の可愛らしいアローナの屋敷までベラ島から帰って来たのは…
ラリッサから、テッサリアから、ハープとペネイオス河の優しい音に揺すられて帰ってきたのは?
そんな感慨に耽る間もなく、お客様をお見送りし、即バラシ突入。
わたしは楽屋で(パンツを履き)精算作業を進めたり、城へ郵送する荷物を詰めたりしていただけなのだが。
スタッフ陣が華麗にサクサク解体してくれた。
本当に沢山の人に協力して頂いて、無事に公演を終えることが出来た。感謝しきりです。
スタッフさんもキャストさんも、楽しく個性的で良い方ばかりで、恵まれた公演でした。
無礼講な謎の集いだった打ち上げの様子をしみじみ眺めながら(笑)皆のこと凄く好きだなと改めて思ってみたりしたのだ。
作品を創造することは本当に苦労が絶えず、主宰などただ孤独でのたうち回ってばかりいる立ち位置なのだが、
こうして力を貸してくれる人達は10年そこそこ集団を仕切ったなかで得た一番の財産だと思う。
数ヶ月前に知り合った人も、旗揚げから知っている人も…
これからも一緒に成長していけたら良いなと思いつつ、ひとりひとりに感謝。ありがとう!
そして、ご来場下さったお客様へも、感謝の気持ちと心からのキスを!ありがとうございました!
今後ともLes Miroirsをどうぞよろしくお願い致します。
さてさて、公演後追い日誌、如何でしたでしょうか?
公演感想もまだまだ受け付けていますので制作部【les_miroirs01@yahoo.co.jp】までどうぞ。
まずは自分のイヴェント準備だが、劇団の次回企画も少しずつ詰めていこうかと思っております。
新規キャストさんも募集しておりますので、そちらも制作部まで。
乗ってきている時にざっと動いてしまわねばね…意外と忙しいな。
暫く引き篭もっておこう…
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April 25, 2014
二日目
サイトの更新やら、映像編集やら、精算やら…
公演が終わってもなんだかんだ細かい作業をね、片付けねばならんと思っていつつも…
とりあえず頭を冷やしつつ、身体を休めつつ、まったり進んでいる。
6月のイヴェントの準備もしないと、な(苦笑)
ひとまず、公演二日目の出来事について。
◆(04/19)公演2日目◆
前述のウィッグ炎上事件の為、美也さまが新しいウィッグを注文してくれ…受け取りの為に早めに劇場に向かおうとするも、携帯電話を忘れて遅刻(苦笑)
結局通常の入り時間に着く。
前夜に整体に行った為に脚はだいぶ快方へ向かうが、念の為湿布まみれ。
そして、またしても思い付きで自分の衣装を変える(苦笑)
黒い綿のパンツを着用していたのだが、小屋入り中にわたしがやつれてしまった為にサイズが合わなくなり、ウォームアップ用に持参していたレギパンに変更。フィット感抜群。
マチネ前にyukariさんを召還し、楽屋で衣装直しをして頂く。
ホルスターがいまいち安定せず、衣装に直接縫い付けて貰うが、お陰で着替えが大変なことになる…
そして、2ステージ目…
前日よりはましなものの、やはり脚が不調で組んで座るのも一苦労。故に若干動きが変わる。
こともあろうに温湿布を貼っていた為に、本番中の体温上昇に呼応して物凄い効力を発揮。尋常じゃなく暑い。
そして喉の不調がピーク。完全に掠れる。わたくしの、美声が…っ!(嘆)
そもそも高い訳では無い声が、聞いたことの無いトーンで出る。
なんとか気合いで舞台を終え、御客様をお送りする。
他のキャストが御客様から「隊長さんの脚になにか着いていたみたいだけど…」と指摘を受けたと報告される。
ホルスターのことか?と一瞬思うも、どうやら衣装から何かが透けて見えたとのことらしく。だとすると…それは恐らく…
湿布を貼っているのがばれた!恥ずかし過ぎる…
ソワレ前に全てはずしたのは言うまでも無い。
キャストに渇を入れ、不安な場面を少し返して次の公演に備える。
さて、食事…と劇場へ戻ると、ケータリングにこれでもかと名前が書かれていた。
朝霞のハンバーグ好きは、三日月バビロンではちょっと有名である。
というのも、以前客演の際に「わたしのハンバーグ弁当が無い!」と大騒ぎした為だ(苦笑)
だけど、こんなに名前書かなくても…ありがとう、ちゃけちゃん…
本番前に少々ヘヴィな量だったが、これは愛だと美味しく頂きました。
そして、3ステージ目…
しつこく発声をして臨み、本番中も異様にまめに水分補給をし、なんとか声は戻る。
役替え時に張り切り過ぎ、若干リップがはみ出したのはご愛嬌である(苦笑)
新しいウィッグがとても快適でスムーズに早替えが出来た。が、やはりドレスを着慣れない点は変わらず…
暗幕の中で思いっ切り柵に激突し、脚に痣をつくる(痛)
お見送りを終え、御客様からの差し入れを皆で頂きつつ流れ解散。
帰路、龍角散を購入して涙目になりつつ服用。少しだけ精算をして早々に就寝。
総ての物音がやみ、星という星が隠れ、光という光が消えていた。
空気はじっと動かず、空は海緑色に暗く、つやの無い金属板のよう。
おれの魂はなおも生きていることに驚きながら、虚無のそれよりはるかに深い闇とはての無い孤独とを怖れて逃げて行った。
(更に更に続く…)
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一日目
ゆるゆると書いて参ります、後追い公演日誌。
コメントやメールの返事が若干滞り気味だが、そちらもゆるゆると。
ひとまず、公演一日目のこと…
◆(04/18)公演1日目◆
「7時に起こして下さい!」とバビさんに告げて4階に引き篭もったものの7時には「おはよー」とメールがあったのみ。
この気遣い…しかし、神経が逆立っているわたしは即行で起きてしまったので、そのまま劇場へ降りる。
ベースメイクを済ませてからアップをしようと、支度をしている間に続々とキャスト陣が到着。
9時半から役者のみの通し。の筈が、結局音響さん&照明さんも付き合ってくれ、軽いゲネ状態に…
出だしから小道具を忘れ、慌てるわたし。
早足できっかけ返しを行おうとするも、やはり時間が掛かり…
写真撮影のReahさんも登場し、キャスト陣にメイクをさせて、本格的なゲネプロに突入したのは予定時刻を大幅に過ぎた頃。
ゲネでは完全に脳が沸いて有り得ない失敗をしてしまうも、落ち込むような時間の余裕は全く無く、終了後は早々にReahさんと物販用写真の選定。
選ぶだけ選んで丸投げ…すみません…
メリア様が芸術的に麗しく撮れ、このショットが大人気に。
食事をする時間が無く、客入れ中にこっそり楽屋でウィダーを頂くもやんわりと胃が拒絶。半分も入らなかった。
そして怒涛の1ステージ目へ…
未だ嘗て無い緊張具合だったが、大きなトラブルも無く無事終了。
本番前、いきなり役替え時にリップの色を変えることにしたのだが、なんとか巧くいく。
初演時よりパワーアップした眉間の皺…(苦笑)
御客様を送り出し、全員集合ののち、劇場にて軽く初日打ち上げ。
しかし、ふと脱力して楽屋に戻った途端、脚に激痛が走る。
おぉぉぅ…これは、まずい!歩くのがやっとのレヴェルである。
さっさと城へ帰り、いつもの整体の先生に診てもらうことに。
マッサージを受けながらウトウトしようとするも、痛過ぎて全く眠れず(泣)先生の溜め息とわたしの呻き声が院内に響く…
実はきっかけ返しの段階でかなり喉もやられてしまっていたので、美也さまに頂いた薬を飲んで労わりつつ。
身体は湿布まみれで就寝。
既に若干ぼろぼろ。
おれの精神は快楽と酒と、両方の温気(うんき)に重たくなっていた。
そのせいか、宴の部屋の薄暗い片隅に、ポレモンの想像力が描き出した亡霊たちが入れ替わりたち替わり現れるのが、
払いのけても見えてきてしまうのだった。
彼のほうはといえば、既に花を敷き詰めた床にぐっすりと眠り込んでおり、その傍らで盃が倒れていた…
(更に続く…)
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April 23, 2014
劇場入
備忘録に近いが…公演前後のこと、スマラの翼に乗せて色々と書き綴っていこうと思う。
先にお伝えしておくけれど…長いうえに朝霞目線の妄想や嘆きを含むものである。
まずは第一弾、劇場入り&仕込みの様子。心して、読むが良い…
◆(04/16)小屋入り前日◆
夕方まで稽古。その後、稽古場に来ていたアサトさんに、途中まで車で送ってもらい新宿オカダヤへ。
谷さんの髪が、どうも巧く染まらないので…オレンジのカラーチョークを購入。これでなんとか…赤毛になる筈。
城へ帰り着き、荷造りの合間に工作。
ベルトを塗ったり…
決闘用の短銃を塗ったり…
って、どっちもマジックかい!(苦笑)
運良くゴールドが残っていて良かったよ、ほんと。
工作楽しい。ちなみにその前夜はちまちまとミュルテちゃんの髪飾りを縫っていたのだよね。うん、ミュルテの髪飾り、隊長手作りだよ。愛だろ?
夜のあいだの、苦痛に呻く眠りを晴らそうと心を配ってくれるミュルテの声がなかったら?
…幾度おれは眠りのなかで、波ひとつ無く透き通った水に身を投じようとしたことだろう?
そしてこの期に及んで、音響編集。
小屋入り前日まで、音響ほったらかしなんて…わたしともあろう者が(泣)
有り得ん、有り得んと…嘆きつつね。
「やっぱりトッカータ!トッカータ6番で行こう!」独り言。で、なんといきなり曲を変えるという前代未聞の暴挙。
ごめん、谷さん&美也さま、ほんとごめん。
最近までのPCの不調の原因が、ごく初歩的なところにあるとやっと気付き、しれっとCDを焼くわたし。
諸々の連絡を済ませ、就寝。
凄い、このわたしが小屋入り前日に優雅に眠る時間(2時間程)があるなんて!敏腕スタッフの皆様のお陰です。
皆様の愛と労力を噛み締めながら、就寝…
さあ、ぼくのそばでおやすみ。
頭をぼくの肩に乗せて、きみの馨しい息のぬくもりでぼくの心臓をあたためながら。
ぼくも眠くなってくる。きみの優しいくちづけの様に、瞼がそぅっと下がってくる。
おやすみ、リシディス、おやすみ。
◆(04/17)小屋入り初日◆
念の為、柊さんにモーニングコールを頼むも、結局かなり早めに起床していた為に非常に爽やかな声で電話に出る。
清々しい朝である。本当にこれから劇場入りなのか?と疑いたくなる程に、冴えている(苦笑)…睡眠は大事だな。
そして、城の前までお迎えに来て下さった柊さんと共に、家出少年の様なとてつもない大荷物で劇場へ向かう。
着いて早々、ファルさんと共に御神酒と盛り塩を設置。
これらのお陰かは不明だが、昨年夏にTheater SHINEでゲネ中にわたしの髪を撫でまくった姿無き御方は今回は現れなかった。
舞台づくりはスタッフ様方にお任せし、持参したミッシェル(愛用のミシン)でわたしは黙々と紗幕を縫うことに。
途中、美也さまがやって来て「ウィッグが焦げた」と告げられる。不慮の事故に若干血の気が引くわたし…
しかし、とりあえず被ってみたら大丈夫そうだったので、そのまま使用することに。
紗幕…無駄に拘り過ぎて丁寧に縁をカットしたり物凄い端を縫ったりと時間を食いつつも、なんとか完成し、吊って頂く。
が、こいつの開閉が思いのほか巧くいかず、舞監・バビさんを深夜まで悩ませる…
夕方頃、なんとなく完成したセットを眺めながらわたしのいつもの思い付き発動。
「なんだか椅子が地味じゃないかな…」即座に夢子ちゃん&雪乃ちゃんが召集され、上手&下手の椅子に紗幕にもある蔦モチーフが手描きされることに。
ほんと申し訳ない、しかし物凄く綺麗に描いてくれて感謝。
仕込みが押しまくり、結局ざっと明かりづくりを終えて解散。
解散後も、夜を徹して黙々と紗幕と格闘するバビさん。そして、ホルスターに汚しを掛けつつメリア様の高台(2階席)に蔦を張りまくるわたし。
そこへ、とんでもないトラブル発生を告げるメールが届く。音響用のMDが焼けないらしい。
今度こそ本格的に血の気が引いたわたし(とバビさん)。
慌てて策を練り、あれこれ機材を替えてとりあえずなんとかし、ほっと一息ついた矢先「大丈夫、焼けた!」との一報。脱力。まぁ、いいか。
食事を済ませ、楽屋でシャワーを浴び、まだ作業を続けているバビさんを残してとりあえず眠ることにする。
我々は、精霊達の創り上げた舞台のなかの意識をせざる俳優だ。
何故なら人の想像力は眠っているあいだ、その自由で孤独な魂の力によって精霊達の至福に参加するから。
(続く…)
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April 22, 2014
Nocturne de L'ange
ご来場下さいましたお客様、
また協力して下さった頼れるスタッフの皆様、
素敵な共演者の皆様へ、
心から感謝を致します。
本当にありがとうございました。
再演ということで、
初演での経験に助けられた部分もあれば、
また現在の感性だからこそ気付けた部分もあり、
より濃厚で良い舞台をお届け出来たのではないかと思っております。
準備期間が長かったので、今は少し物寂しいような気分でもありますが、
ここで得たものを糧にまた新しい作品、新しいLes Miroirsの世界を今後もつくって行ければと思います。
まだまだ拙い集団ではありますが、今後ともLes Miroirsをどうぞよろしくお願い致します。
色々と想うこと、お伝えしたいことは尽きないのですが、
ひとまず手短に、御礼までに。
ありがとうございました。
朝霞ルイ
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April 20, 2014
†出演情報†
通常のblogはこの記事の下に続いております。
幻想芸術集団 Les Miroirs
第4回本公演
「震える砂塵 -Nocturne de L'ange-」
2014/04/18-20
@Theater SHINE
公演詳細は【つづき】頁をご覧下さいませ。続きを読む
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April 10, 2014
暗示
騙し騙し、なんとかきている。が、恐ろしくて熱は計れない…(苦笑)
頼む、このままあと10日程なんとか騙されていてくれ。
この期に及んで、未だPCと仲良し。
スマートな相棒(携帯電話)とは、早くも仲違い気味。
当日パンフレットもアンケートも既にデータは完成し、入稿に入っているのだが。
地味に音源を弄ったり、場内アナウンスをつくったり、
追い込み的に宣伝を掛けたり、メールの問い合わせに対応したり、今更Google+をどうにかしたり…
後は、今回は物販があるので…脚本のデータをそれっぽく装飾したりとか。完全に自分の首を絞めた(泣)
いや、でも、やりたかったんだもん。
思い付いてしまったら仕方無い。
そして、道連れにされ作業に追われるスタッフの方々…
ちなみに、今回はゲネ写真もあるよ。撮りたてほやほや状態での販売なので、どんなショットが出るかお楽しみ。
つまりはゲネ時点でしっかりメイク出来る余裕を作らねばならない訳で、今から若干ひやひやしているのだけど(苦笑)去年のゲネ写真、わたし完全にメイク薄過ぎて顔疲れてたからな。気合い入り過ぎてまた邪悪な表情していたよ、邪悪な役じゃなかったのに。
「絶対に直前慌てるから」と、半年前から準備をしていたくせ、やっぱり時間が無い。そんなものか。
勿論、早い段階から準備していた諸々は充分に身になってはいるのだけど、そこで出来た余裕のなかで、調子に乗って仕事を増やした(沈)
きりが無いな。妄想は尽きぬ。
またうっかり大きな買い物(機材関係)をしてみる。
どうやって持って行くつもりだ、どうする自分?
とりあえず劇場に電話した。
まずいな、買い出しもまだ少し残っているし、髪を切りに行って、なんなら虫歯も治したい。
他のことは頼めても流石に美容院と歯医者は頼めんな。
散々減量しようと食生活にも気遣ってきたが、ここへきて勝手に痩せていく。これなら、本番前にハンバーグ食べても良いよね?(歯医者行け)
日常会話が勝手に舞台の台詞に変換して聞こえるようになってきた、順調に患っている本番前。
一応平静を装ってはいても、沸きまくる脳と、開きまくる瞳孔はどうにもならん。
毎日震えまくりだぜ。砂塵の如く…
公演PV、気付いたら結構みんな観てくれているみたい。
張り切ってつくった甲斐があったよ…ありがとうございます。
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