August 2017
August 23, 2017
Le Matin
先週開催したLe Matin vol.2の精算会&反省会を行って参りました。
“肉が食べたい”と云うわたしのリクエストで、中川さんが美味しいステーキを焼いてくれたよ。
食事しつつ、精算作業をしつつ、借りていたお衣装を返したりして、当日の映像を観た。
予想はしていたけれど…別人のように身に覚えの無いパフォーマンスを繰り広げる二人が撮されていた(苦笑)
当日のMCでも少しお話ししたけれど、初回以上に今回は時間にも作業にも追われまくってしまい、本気で必死だったのだよね。本番20時間前に決まった演目があったのも事実です(笑)
正直あれは、中川さんが相方でなければ、奥村さんがスタッフとして支えてくれなければ、決して本番に挑めなかったイベントだと思う。
これが自分個人の企画なら何か代替え策を打って内容を変えたかもしれない。稽古が足りないとか、力が追い付かないとか、そういったことを言い訳に引かないのはパフォーマーとしては当たり前のことだけど、難しい瞬間もある。“一生懸命な100%”はときに自己満足になり兼ねない。しかし、今回あんなに切迫した中でも何かを諦めようとは誰も言い出さなかったのは、全員がお客様に楽しい時間を過ごして頂くことを最優先に、真摯に取り組んでいる信用があったからじゃないかと思う。
当日観てくださったお客様からすれば、普段ホームで安定感のある芝居をしている筈の二人が、明らかにギリギリな様子で必死にやっている姿は新鮮だったでしょう。それをお見せすることが目的では勿論無かったけど、結果的に楽しんで頂けていたならイベントとしては成功だったのかと思う。
確かに極限状態でなければ見せられないLIVE感凄まじいイベントではあったので、普段通りきちんと稽古をして臨んでいたらあの独特な面白みは全く出なかっただろう…演者としては悔しい部分もかなりあるけれど、今回本当にお客様のパワーに助けられた。
普段ストレートプレイの芝居ばかりやっていると、お客様が応援として反応をくださることなど無い訳だよ(笑)ペンライトやうちわを振ってくださったり、手拍子に声援、そして誰一人嫌がらずにウサ耳まで着けてくれて…それにとにかく感動した。
客席から頂く熱量に助けられて、限界以上の力が出せたと思う。自分でも踏み入れたことの無い境地に行ったような感覚だったな。
改めて、舞台という空間は演者だけで作り上げられるものではないと肌で感じるイベントでした。ありがとうございます。
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alf_maria_lully at 11:00|Permalink│Comments(0)│
August 21, 2017
今更
作業の為にPCの電源を入れたら…
連動してプリンターの電源が入り、そのまま残ったデータを印刷し始めた。
キャンセルを掛けるも言うこときかずに、わたしはただそれらが刷らていく様を見守るしか無かった…
Le Matinのうちわ。
今更かい!(泣)
これね、会場で超数量限定で販売させて頂いた応援グッズなのね。
何故超限定になってしまったかというと…未だ嘗てない詰めまくり稽古で廃人寸前だった本番前日(真夜中だったので既に当日)、突如うちのPCちゃんが暴動を起こしまして周辺機器との接続を一切ボイコットしやがったのだ。なもんでいくら印刷ボタンをクリックしてもプリンターまでデータがいかず、僅かな数しかうちわが作れなかったのだよ…
それが今になって出てきてしまったらしい。無念過ぎる。
どうしよう、これ。
今後販売できる機会があるだろうか…?
デザインも出来映えも、我ながら素晴らしく良く仕上がっていると思うのだけれどな。
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alf_maria_lully at 08:05|Permalink│Comments(0)│
August 18, 2017
葡萄酒色
知っているか?「オデュッセイアー」では海の色を葡萄酒に喩えた一節がある。
“葡萄酒色の海”
水で薄められた古代ギリシャのワインは深い群青色だったとも云うが、盲目の詩人がそれを見ることは叶わないだろう。
ホメロスは豊かに拡がる風景と気紛れに顔を変える様をそう表したのだとわたしは思う。
…そう、あの人から聞いた話だ。何故いま思い出すのだろうな。
酒で満たした宴は波を孕み、やがてこのバイエルンを呑み尽くす流れを生むだろう。
海を知らないお前達には、分からないかもしれないが。
Les Miroirsでホメロスと云えば“ホメロスの蝶”が登場する「poiche」だろうが、執筆当時シュナックとアプレイウスばかりに熱を上げて途中で読むのを諦めてしまったオデュッセイアーに(イーリアスにも)こんなに美しい言葉があったのか。
原語は“οινοψ ποντος”、葡萄酒のような海、が直訳だそう。(英訳は“wine-dark sea”が主)日本語訳では“菫色の海”とするものもあるらしいが、これは表現の意図するところとずれてしまう気がする。
海の色に染まる、ギリシャのワイン〜♪が実は物凄く詩的な表現だった訳だね(笑)
余談だが“葡萄酒色の神”となると、そのもの酒と豊穣の神・ディオニソスを指すそうな。
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alf_maria_lully at 06:07|Permalink│Comments(0)│
August 17, 2017
情熱
ちょっと今更になるのだけど、今月初めに行ったコンサートについて。
恐らく、期待以上に、今夏最も五感が刺激されるステージだったので書き留めたい。
「川井郁子 Passion in eX 〜with 東山義久〜」
6月に「CLUB SEVEN」を観に行った際、折り込みを貰わず着席したのだが数列前のお客さんの手元から郁子さんの写真が載ったフライヤーが見え(よく見えたなという距離)…え、もしや東山さんと出るの?と慌てて折り込みを貰って即チケット予約。
この二人の共演、絶対に観ない訳にはいかない。しかも上田遥先生が振付、楽しみ過ぎる。
品川プリンスホテルのClub eX、初めて訪れたがラグジュアリーで洗練されたホール。
ダンス公演などに出ている郁子さんは観てきたけれど、実はコンサートに行ったのは初。上品な雰囲気の年配のお客様が殆どで金髪にほぼ稽古着のわたしが浮きまくる…
バンドの面々が位置に着き、暗くなったステージに郁子さんが登場する。
円形のステージは、躍動的に、踊るように全身で奏でる郁子さんを色々な角度で観れるようでとても良い。
1曲目は“Passion in Blue”ラテンのリズムが心地好い。東山さんが主演していた「サロメ」で七つのヴェールの舞にも使われていた曲。いきなり好きな曲でテンションが上がりつつも、郁子さんの佇まいがあまりに神々しくて既にちょっと泣ける。
続く“Summer Storm”と激しめの曲を終えてMC。喋っている郁子さんも生で観るのは初めてだと思う。艶やかな声なのに優しくて浮遊感のある語り、素敵。
河をテーマにした小品のメドレー、“パリの空の下セーヌ河は流れる”でダンサーが登場。哀愁漂うメロディの中にすっと溶け込むような東山さんの少し影のある色気が絶妙。
赤い薔薇を一輪携えていきなり現れる気障な演出が、何故こうもナチュラルに様になるのか。
薔薇を郁子さんに手渡した演奏後のお二人のMCの、また微妙に噛み合っていないところが楽しい(笑)先程までああも息の合った演目をこなしていたのに…喋りだすと途端に親しみ易いお兄ちゃんになってしまう東山さんが、ちょっと天然な郁子さんにあわあわしているように見える。
東山さん、サロメまたやりたいと言ってくれていたけど、本当にあれは再演して欲しい。なんなら結構昔の作品になるけど郁子さん主演版のサロメもまた観たい。
東山さんが退場し、再び一人のステージでの歌い上げるように伸びやかな“愛の讃歌”。
太陽のようなイエローが眩しいドレスに着替えての“恋のアランフェス”、この曲も本当に好き。待ってました。あの昇華されていくような臨場感ある演奏と、恍惚にも似た郁子さんの表情が一番堪能できるのがこの曲だと思う。舞台でも効果的に使われていたので、場面が蘇って感じられるのも良い。
和太鼓奏者とのセッションで魅せる“中国の太鼓”。
“赤い月”と仮題のついた新曲では尺八奏者を迎え、厳かでいて独特な壮麗さを感じる世界観のなかで郁子さんならではの情感豊かな演奏の魅力が活かされている。
そして一部のラスト“Chardash”は緩急の激しいジプシー舞曲。軽やかにステップを踏みながらの演奏が目にも楽しく、曲に込められた物語の流れがよく見えるよう。前半を通して、改めてヴァイオリンという楽器がこれほど様々な音色を持っているものなのかと感じる選曲だったけれど、それが最も色濃く出ていたのが“Chardash”かな。
既に興奮で惚けながらの休憩時間。
ステージ上に徐に見覚えのあるような小さな階段とキャンドルランプが設置されているのに気付く。
これ、もしかして…
曲目リストを読み返すと、後半の1曲目はわたしが一番楽しみにしていたカルメン!
長くウェーブした髪に赤い花飾りを挿し、ステージに再び登場した郁子さんは去年観た公演で魅せられたカルメンそのもの。白いシャツで髪を乱して舞う東山さんのドン・ホセも、あの公演のまま。
あんなに美しく官能的な“ハバネラ”はこの二人でなければ観れない!わたしの大好きだったあの場面を再現してくれた。
しかしあれ、Dance Actの1シーンで観ても凄かったけれど、コンサート会場で見るとなかなか異質だな。郁子さんを単なるヴァイオリニストだと思っていると度肝を抜かれるような演目だろう…どんなバランス感覚なのかというアクロバティックな体勢で抱き上げられたまま演奏している訳で。
あの円形のステージで、実際の公演では無い角度から観れたのも嬉しい。フットライトで演者の影が会場全体に大きく揺れて映るのもまた幻想的。
階段に載せたホセの足元にカルメンが物憂げに凭れている図も好きだったのだけど、今回サイドから見たら結構あり得ない高さにあんなに華麗に脚掛けてたのか…階段を昇るカルメンのドレスの裾を愛おしくすがるような素振りで捌いてやる仕草も美しい。
去年あれを観て完全にやられてしまって“東山さん格好良い、ドン・ホセわたしも演りたい!”とか宣っていた自分が改めて本気で図々しい気がしてきた(苦笑)リスペクトするくらい良いですか…
1曲のなかに非常に凝縮された物語の世界が詰め込まれているようで、ホセの情熱と堕落、昇華する二人の感情が見えたように思う。素晴らしいの一言。
後半は“ハバネラ”の興奮を引き摺りまくったのと、曲紹介が殆ど無いまま進んだ為に記憶がとても曖昧。
黒で合わせた衣装でまた二人が踊る曲も大人っぽいシックな色気があって素敵だったのだけど、最早曲目も分からないくらい魅入ってしまっていた。
ラストの曲は再びの“レッド・ヴァイオリン(恋のアランフェス)”。一部での演奏よりも疾走感のある華やかなアレンジ。
これもカルメンで演奏されていたよな。
アンコール曲がまた曖昧なのだけど、多分“リベル・タンゴ”だったと思う。
ラテンな赤い衣装で舞台を所狭しと踊りまくる東山さんが魅せる。
最後まで艶やかで美しい、熱量に満ちた上質なステージだった。
あれを日に2回もやられたのかと思うとあのパワーに脱帽。素晴らしい時間でした。
そしてやはり…
カルメンは再演希望。本当、毎年でもやって欲しい。
これこれ、ハバネラの場面。
川井郁子さん・東山義久さん共演の昨年の公演「カルメン〜ドン・ホセの告白〜」は【こちら】
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alf_maria_lully at 22:09|Permalink│Comments(0)│
August 16, 2017
復活
半年近くblogを放置してしまった。
開設から10年以上を数えてもここまで長く更新しなかったのは初めてなので、此処でしか朝霞の情報を得ていない方は“生きてるの?”と思われたかもしれないが、元気にやっております。
放置してきた間にも、毎月の劇団サロンや、4月の舞踏会、6月の本公演、8月のLe Matinなど表の活動は続いており、劇団公式の制作blogやTwitterアカウントにその流れが載っている。
また、プライベートでは引越をしたり骨折をしたり(苦笑)、歳をとったりと、こちらもなかなかに濃厚である。
こちら劇団公式のblogにもうっかり載せた新居の写真だが、現状舞台セットのなかで生活をしているのでちょっと気が休まらないのだよね…このソファに腰掛けると役者モードがONになる気がして他の作業が進まない。なので、最近はすっかり服や本を置く“棚”の扱いになっているが。
いま暫くは11月の「アルラウネの滴り」再演に向け、裏方作業をしたい週間になっている為、収納されていたデスクを引っ張り出してみた。
先日のサロンで作った白サングリアが気に入ったので、赤ワインでも試してみたところこれがさらさら飲めて危ない。また作業ノートがワインの染みで彩られる予感(苦笑)
しかしね、ほろ酔い具合で書き留めた台詞とか割りと冴えているのだよね。問題はテンションが上がり過ぎて書く手が感情に伴えず、字面が壊滅的なのがしばしばあること…(時に解読不能)
アルラウネには葡萄酒が付き物でしょう?つまみのセレクトが渋いけど。
来週には顔合わせ。それまでに改訂版台本を上げねば…一度“完成”させたものに手を加える大変さを噛み締めている。今回の改訂はマイナーチェンジ程度ではなくシーンごと増えたり別物になったり、初演で本当は書きたかったけど上演時間などの都合で諦めた部分が復活したり、新作に挑むような心持ちで向き合っている。
是非とも沢山のお客様にご覧頂きたいですね。
今更だけど「アルラウネの滴り」プロモーション映像(初演ダイジェスト)がYoutubeにアップされております。
他のSNSでもショート版が地味に再生回数を上げており、例の決め台詞を本番で言うのが色々な意味で楽しみになってきた。“うわ、出た!映像でやってたやつ!”って思われたいよね(笑)
ちなみに、今回は上演に先行してプレイベントもやっちゃうよ。
下北沢がトレッフェン通り十番地に…?!
“アルラウネの館”出張営業♪
9/10(日) 15:00-/18:00-
@下北沢 dress room
イベント詳細は【こちら】
ご予約は、劇団制作部《info@les-miroirs.jp》へご連絡のほか、このblog記事へのコメント(web上へ開示されません)でも受け付けます。
キャスト達との交流、劇中に登場するカードゲーム、カスパル先生のバイエルン選帝候国講座など…真紅の壁とシャンデリアが妖しくデカダンの薫り漂う隠れ家・dress roomで、ひとあしお先にアルラウネ達と戯れてみませんか?
久々過ぎて宣伝混じりになったけれど…9月末の外部出演に関しても追ってお知らせ致します。
年末まで毎月朝霞に逢えるイベントが目白押し!
チェック&ご来場お待ちしております。
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alf_maria_lully at 06:53|Permalink│Comments(0)│